10才になる犬を飼っています。年のせいか最近体の表面に小さなイボのようなものが何個かできています。病院に行ったほうがいいでしょうか?手術は避けたいのですが。。。

人の場合もそうですが犬も高齢になるにつれて、体の表面にできものができることが多くなりますね。
できものができた場合にどのように検査、治療をしていくかご説明します。
まず、これらのできものが腫瘍か腫瘍ではないのか、腫瘍なら良性か悪性かの判断が必要になります。見た目だけでは判断ができないので、最初に細胞診検査を行います。この検査は、細い注射針でできものを数回刺し、針の中に入ってくる細胞を染色、顕微鏡で観察するというもので、痛みもなく簡単にできます。細胞診によって腫瘍か腫瘍ではないのか、おおよその見当がつきますし、腫瘍によっては確定診断も可能です。ただし、針の中に入ってくる少数の細胞のみで判断するので、見当はつくものの確定診断に至らないこともあります。その場合は次のステップとしてもう少し多くの材料を取るために、できものの一部、もしくは全てを切除し、病理検査センターに提出します。この場合は局所麻酔か、できものの大きさによっては全身麻酔が必要になります。ちなみに犬でよくみられる乳腺腫瘍は、良性か悪性か細胞診では判断ができないので切除して検査というのが一般的です。
治療はこれらの検査結果に従って実施します。腫瘍であっても良性の場合は経過観察するか切除、悪性の場合はリンパ腫以外のほとんどの腫瘍で手術が第一選択になります。今回お問い合わせいただいた小さなイボが良性のものだと仮定しますと、当院では局所麻酔で簡単におこなえるレーザー治療を行っています。
日頃から、ワンちゃん、ネコちゃんの体を良く触るようにし、できものを見つけたら動物病院で検査してもらうようにしましょう。