ペットを飼っている方、飼いたいと思われている方へ
愛するべき家族が増えるということ

ペットを飼っている方、飼いたいと思われている方へ<br>愛するべき家族が増えるということ

昨今のおうち時間増加で、ペットを家族に迎え入れる方が増えていると聞きます。そこで、弊社HPの「ペット大好き!」コラムを連載していただいている岩園町のシエル動物病院、木村先生にペットに関する質問にお答えいただきました。すでにペットを飼われている方にも、これから飼ってみたいと思われている方にも必読です。

Q1.まずはペットを飼い始めた方へ、伝えたいことはありますか?

コロナ禍の自粛生活が始まって、動物を飼われる方が増えていると聞きます。実際に当院でも初めてペットを飼うという方がこの半年は例年より多いように思いますし、そのなかでも保護された犬や猫の里親になられた方が多いのはうれしいかぎりです。
犬を飼うのは初めてなんです、と言って来院されるご家族の中で一番不安げに見えるのはお母さん。小さなお子さんもいて、その上子犬の世話まで増えるわけですから不安なのも当然のことです。ですが、お子さんを育てたことのある方ならそんなに難しいことではないように思います。

見た目は違えど、人の赤ちゃんとそんなに変わりません。いろんなものを口にしますし、いたずらや破壊行動もある、トイレトレーニングもしないといけないし、乱暴に扱うとケガもしますし、夜泣きもするかもしれません。もちろん病気もします。子犬を迎えた最初は質問攻めだったお母さんも、苦労しながら1年もたつとみなさんしっかりいい飼い主さんになられます。できるだけ早くそうなるためには、一人で悩まず専門家に的確なアドバイスをしてもらい、それに素直に従い実行すること。昔ながらの我流を押し通して失敗なんてことも意外と多いので注意しましょう。

Q2.ペットを飼いたいと思われている方へ伝えたいことは?

これから新たに動物を飼いたいと思っているみなさんへ。私自身、動物と暮らしていて、そしてこの仕事をしていて思うのは、最初は子供を育てるのと同じ、最後は親を、あるいは身近な人を看取るのと同じ、ということです。私たち飼い主は、ヒトより短命な犬猫をいつかは見送らなければなりません。経験のある人のなかには、それが辛いからもう飼わないという人もいます。私も一人の飼い主として、育てる大変さ、そして見送る辛さを十分に経験していますが、それらを差し引いてもあまりある楽しい時間を与えてくれると思っています。いい出会いがあって、動物を家族に迎え入れたら、責任を持って飼うということ、そして問題が発生したら、専門家に相談してアドバイスをもらい早めに解決していくことです。そうすれば動物たちとの楽しい時間を過ごすことができると思います。

Q3.ペットのいつもと違う行動は病気のサインである場合もありますが、見分けることはできるでしょうか?

いつもと違う行動には、何らかの理由があるものと思います。皮膚を舐めているなら痒みや痛みが理由だったり、歩き方がおかしければこれも痛みだったり、違和感を感じていることが原因だったり。壁や物にぶつかりながら歩いていたら見えてない、ソファーにいつものように飛び乗れないなら、腰痛などかもしれません。まずは正常な状態をよく把握すること。正常をしっかりとらえていれば異常所見は簡単に見抜けます。日頃からよく観察されている飼い主さんなら正常か異常かを見分けることは容易で、病気の早期発見につながります。

Q4.先生が過去にお聞きになったペットにまつわるお話があればお聞かせください

~エピソード1~
もう30年以上も前になりますがオーストラリアに住んでいたころの話です。散歩をしていると一軒の家の庭先から大型犬が私の方にしっぽをゆっくり左右に振りながら歩いてきました。私の歩行を遮り、撫でてほしそうにするのでしばらく撫でていると、庭に出てきた飼い主らしきお母さんが笑顔でその犬の名前を呼び、ごはんよー、と。ちょっと慌てた様子ですたすたと自宅に帰っていきました。閑静な住宅街で当時は塀もフェンスもない一軒家が普通の地域でしたが犬はいつでも外出しほうだい。でも、吠えたり、飛び出して行って事故にあったりもせず、呼ばれたらちゃんと帰っていく。なかなか日本では見られない光景でした。近くのスーパーに買い物に行くと、入り口でノーリードの犬が伏せの状態で飼い主の買い物が終わるのをじっと待っていることもありました。ノーリードで飼い主と一緒にスーパーまでやってきて、飼い主は犬にちょっと待っててね、と言ってスーパーに入っていきます。買い物を終えた飼い主が出てくるとすっと立ち上がり、飼い主のそばを離れないようまたノーリードで帰っていきました。日本でノーリードというわけにはいきませんが、いつかこんなふうになればいいのにと思い続けています。

~エピソード2~
もう随分前の話なのですが、非常に仲のいい年配のご夫婦が大型犬を飼っていらっしゃいました。とても大事にされていて、性格も穏やかないい子でした。ご主人は、この子がいるからなかなか旅行にも行かれへん、といつも冗談半分口癖のように笑顔でおっしゃっていました。心配のあまり奥様がその子をホテルに預けたりできないから、というのが理由でした。高齢だったその子が亡くなったとき、泣き崩れる奥様のそばでご主人が私に、先生、お世話になりました、これでやっと旅行に行けるわ。涙を堪えながら、無理やり笑顔を作りながらおっしゃいました。そしてそれから数か月後、まだ小さな大型犬の子犬を連れてご夫婦が来てくださいました。旅行も行ったけど、やっぱり寂しくてね、年も考えずにまた飼ってしまいましたわ。お二人とも満面の笑みでした。奥様のペットロスがひどく、好きな旅行にもあちこち連れて行ったけど、全くダメでね、子犬が来た途端、笑顔が戻りましたわ、と。
ペットロス、一番の治療は新しい子を迎えることだと思っています。なかなか難しいかもしれないですけど。

Q5.ペット手帳を使われていますか?

20~30件ほど登録いただいていますので病院からの連絡事項(お休みの日など)に使わせてもらっています。

木村先生、ためになるお話、涙するエピソードなどたくさんお話しいただきありがとうございました♪
岩園町のシエル動物病院、木村先生が連載されている、「ペット大好き!」コラムではペットの病気についてのご質問く詳しくお答えいただいています。バックナンバーまでぜひ読んでみてくださいね。

ペット手帳って何?と思われた方に、以下ご紹介いたします。

ペット手帳について

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●臨時休業など病院からのお知らせやメッセージが届く。事前問診項目ももあり、先生に診てもらいたい内容を連絡することで受付がスムーズに!
●[今週のコラム]として、あなたのペットの成長や季節に沿った役立つコラムをお届け♪
●健康記録 散歩、食欲、うんちなどの体調記録や写真とコメントで日々の様子や病院の記録などを残すことが出来る
●動物病院でよくある質問などに獣医師や専門家が答えるQ&Aを発信
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おわりに

コロナ禍のペットブームで里親募集の譲渡会などが賑わっているという話をよく耳にします。芦屋市内でも芦屋市動物愛護協会やその他NPO団体の主催する譲渡会が開催されていますので、ペットショップへ行く前に、保護された動物を飼うことも選択肢に入れてもらえると嬉しく思います。

筆者自身もペットを飼う大変さ、ペットを見送る辛さを経験していますが、木村先生がおっしゃっているようにやっぱりそれ以上に何にも代えがたいものが私の心をずっと温めてくれています。飼うからにはもちろん責任も伴いますが、今や動物病院や『ペット手帳』のような便利ツールからこんなにも情報提供を受けることが出来ます。飼い始めた方、飼おうと思われている方の不安を少しでも取り除ければ幸いです♪

〈ライター 北島志保・杉本せつこ〉

  • Ciel (シエル)動物病院

Ciel (シエル)動物病院

  • 兵庫県芦屋市岩園町25-2 (GoogleMap)
  • 0797-35-5751
  • (月~金)9:00-12:00、17:00-19:00
    (土)9:00-12:00
    ※その他予約診療、往診有
  • 土午後・日祝
  • 有(4台)