大きな動物病院をかかりつけにしている友人から診療費用の相談を受けました。診療費用や手術費用も私のかかりつけの動物病院と比べてずいぶん高い印象でしたし、最近費用が上がってきているらしく、これから先も上がっていくのか飼い主としては心配とのことですがいかがでしょう?
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ペット大好き!芦屋のシエル動物病院の木村院長のコラム更新!
動物の二次診療施設やスタッフの多い大きな規模の動物病院は、我々ですら耳を疑うほどの手術費用を請求することが多くなっているようです。もちろんそれらの金額は事前に知らされるので、だまされた、などというような類のものではありませんが、高額すぎて治療や手術を断念して帰ってきたとご相談を受けることも多々あります。
動物病院は人の医療とは違って自由診療なので、診療費用や手術費用、処方食やお薬など各病院独自の価格設定がなされているので費用の高い病院や安い病院が当然でてきます。スタッフをたくさん抱える大きな動物病院は人件費、設備投資費用など出ていくお金も大きいですから、どんどん顧客を増やし、診療費用も上げて、高額な手術をより多くこなさないと病院の維持も難しいはずです。そして近年の物価の上昇も少なからず診療費用を押し上げています。目に見えて仕入れ値が上昇しているなと思うのは病院専用の処方食です。この20年ぐらいで2倍近く価格上昇したフードもあります。原材料費の高騰、輸送コストの上昇など、やむを得ないのでしょうがこれだけ高価になってしまうと良い商品とはわかりながら、なかなかお勧めしにくくなります。動物専用の薬も新しく発売されるものは高額になっていますし、外注検査や病院で使用する機械や消耗品も同様です。我々も気を付けていないといつの間にか予告なしに仕入れ値が上がっていて、慌てて病院価格を改正しなければならないということもあります。できるだけ飼い主さんの負担を減らすように、仕入れ先を選んだり、ジェネリックタイプのものを使用したりと様々な工夫を講じるようにはしていますが、これからは他業種同様それぐらいでは診療費用の維持は難しくなってくるかもしれません。
診療や手術の価格が高額すぎて出せない、その費用が適正かどうかわからないと思われたら、他院で聞いてみるのもいいと思います。各ご家庭には動物のために出せる予算もあるでしょうし、高額なために治療を断念せざるを得ないというのは病気で苦しんでいる動物にとってつらい話です。
動物との生活にもお金がかかります。フード代だけでなく、病気の予防費用、治療費用、手術が必要なら手術費用、ホテルに預けるならホテル費用、美容室費用、その他様々な出費があります。これからはそういった費用も物価上昇とともに上がっていくということを飼い主さん、そしてこれから動物との暮らしを考えている方々にも知っておいていただく方がいいかなと思います。



