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刑事被害者の保護

山口県光市の母子殺害事件に関して、前月号に引き続き、思うところを一つ。
刑事裁判というのは、犯罪者を罰する手続であり、その手続において、冤罪が生じるなどの間違いがあってはいけないので、弁護士がついて弁護するものです。「刑事裁判で、被害者の人権よりも加害者の人権が優先されている」という人がいますが、刑事裁判はもともと被害者の人権を守るための制度ではないのです。刑事裁判手続を経て、加害者に適正な刑罰が科された時に、初めて被害者の応報感情が満足されるか否かということになるわけです。

もっとも、刑事裁判手続の中にも、一定の限度で、被害者の保護を図ろうという努力は近年続けられており、2000年には、犯罪被害者保護法が成立し、被害者等による意見の陳述の制度、裁判手続の傍聴のための配慮に関する規定、訴訟記録の閲覧及び謄写の制度、民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解の制度などが設けられています。
また、2007年6月には、「犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法の一部を改正する法律」が成立しており、刑事裁判の手続を利用して民事の損害賠償請求が出来る制度、公判記録の閲覧・謄写の範囲の拡大、性犯罪被害者等の実名等が法廷等に表れないようにする制度、検察官や裁判官の許可があれば、被害者自身が直接被告人に質問できる制度などが設けられています。

光市の事件で、世論が反弁護団の声を上げたのは、素朴な感情としてはわかるのですが、今後は、被害者の保護を、刑事裁判だけで行うという視点よりも、それ以外の点で、被害者を守るよう、制度を充実していかないといけないと感じています。
例えば、犯罪被害者給付金制度というのがあり、犯罪被害者には国から給付金が支給されますが、金額的には全く不十分です。犯罪を生み出してしまったのは国家の責任とも言えるのですから、金額的に十分な補償がなされるべきだと考えます。
また、犯罪被害者に対する心理カウンセラーの充実なども期待したいですね。捜査の過程で、犯罪被害者が二重三重に傷つけられることもあります。報道被害にも遭うことが多いです。また、犯罪被害者が社会の偏見に耐えなければならないこともあり、特に性的被害の事件などでは、被害者に落ち度があったなどと好奇の目に耐えなければならないことも多いです。
総合的に犯罪被害者を守っていくという社会にして欲しいですね。

※掲載している情報は、2007.11.01の情報です。
 そのため記載内容が、最新のものと異なる場合があります。

弁護士:
木村 雅史(きむら まさし)

木村雅史法律事務所 代表

昭和40年7月2日生まれの気さくな弁護士先生。明るく温和な雰囲気と真摯に問題に取り組む姿勢はごくプライベートな問題を安心して任せられます。

<過去に取り扱った案件等>
刑事事件(少年非行事件含む)も扱いますし、また民事一般・・・金融・債権回収、不動産、建設、相続、交通事故その他損害賠償、倒産処理(クレサラ問題含む)も扱っています。離婚等も多いです。特殊な事件ですと児童虐待事件などの取扱い経歴もあり。
まずはご相談下さい。

主な経歴
昭和59年3月兵庫県立明石北高等学校卒業
昭和60年4月京都大学法学部入学
平成2年司法試験合格
平成3年3月京都大学法学部卒業
平成3年4月司法修習生就任
平成5年4月弁護士登録(大阪弁護士会)
平成11年4月木村雅史法律事務所開業

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