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あしやのペットたち なんでも相談

Q

重症熱性血小板減少症という病気が動物にも感染すると聞きました。この病気について教えてください。

Q

シエル動物病院
木村院長先生からの回答

(2023.03.27更新)

春を迎えて今年は例年より気温も高めなのでノミやダニの被害が早くからみられています。2月にもダニをつけて来院されたワンちゃんがいましたね。これまではダニといえば芦屋界隈では六甲山系に多いマダニが媒介するバベシアという貧血を起こす病気が危惧されていましたが、数年前からは、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)という感染症がヒト同様、犬猫にとっても心配な病気になっています。

この病気はウイルス性感染症でマダニに咬まれることで感染し、発病するとヒトと同様な症状、発熱、血小板減少、白血球減少、発熱、嘔吐、下痢、食欲不振などの消化器症状がみられ、特徴的なものとして血小板減少による皮下出血をはじめとする出血傾向がみられることも多いようです。ヒトの致死率は6%から30%とかなり危険な感染症で、犬や猫でも死亡例が報告されています。ウイルス性なので特効薬はなく、今のところ対症療法でしのぐしかありません。感染様式は明確にはなっていないものの感染動物の血液や体液を介して人に感染することもあります。実際に発症した猫から飼い主に感染した事例も報告されていますし、発症した猫を診察した獣医師や動物病院スタッフが感染し獣医師は重症、看護師は軽症で回復したとの報告もあります。ヒトから動物への感染に関しては報告されていませんが可能性は否めません。

確立した治療方法がないので予防が重要になります。とにかくダニに感染しないようにすること、これにつきます。このダニは野外、とくに草むらに潜んでいますので犬のマダニ予防はしっかり行うようにし、地域によっては真冬でもダニの感染はみられるので1年を通して予防するほうがいいでしょう。また室内飼育とはいえ、庭に出す、外出する猫もしっかりダニ予防をするようにしましょう。報告によると猫は重症化することが多いようです。感染を疑う症状が犬や猫に見られた場合、ヒトへの感染を防ぐために濃厚な接触は避けるようにして動物病院で診察を受けるようにしてください。

ペットのご相談は芦屋人問い合わせフォームに「Ciel動物病院 木村先生へ」と記入の上、ご質問内容を送信してください。

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