8才のミニチュアダックスを飼っています。今までは病気などすることもなく無事に過ごしてきましたが、ダックスには椎間板ヘルニアが多いと聞き、心配です。どのようなことに注意すればいいでしょうか?

ヘルニアという言葉は飛び出すという意味があり、背骨と背骨の間にある椎間板というものの内容物が飛び出して脊髄を圧迫するのが椎間板ヘルニアという病気です。
症状は発症部位が首であれば、首の痛みや前後肢の麻痺を認め、腰であれば腰部痛や後肢の麻痺が認められます。首の痛みがあるかどうかの判断のひとつとして上目使いがあります。首が痛くて飼い主さんの方を見上げることができず目だけで見上げるようになります。また普段ふつうに行う身震いをしなくなったり、身震いしはじめても途中で止める場合は首や腰の痛みであることが多いようです。症状が軽度な場合は、足を引きずるような歩き方であったり、ふらつきが見られます。足が麻痺して全く動かなくなり、痛みすら感じない重度な症状を呈する場合は迅速な治療が必要となります。
ヘルニアかどうかの診断は、神経学的検査でおおよその予測はつきますが、通常のレントゲンでは確定診断できませんので可能であればMRI検査を受けて確定診断することになります。
では治療です。上述したような重度な場合は、緊急手術で脊髄を圧迫している椎間板の内容物を取り除くことが必要になります。軽度な場合は安静とお薬治療を中心に行い、レーザー治療や鍼灸治療などを行う病院もあります。また近年、リハビリも重要視されていて、手術後もリハビリをしっかり行うことで回復が早まります。
予防は、階段やソファーに飛び乗ったり飛び降りたりという首や腰に負担を掛ける運動は極力避けること、フローリングにはカーペットを敷いて滑らないようにすることなどですね。そしてできるだけ早くに歩き方の異常や痛みに気づくようにしてあげてください。とくにダックスやプードル、ビーグルは椎間板ヘルニアの好発犬種ですので飼い主さんは注意するようにしましょう。