17才の猫を飼っています。2年前から慢性の腎不全を患い、これまでにも何度とのなく入退院を繰り返してきました。やはり年のせいか、少しずつ弱ってきており、血液検査でも腎臓の数値が下がらなくなってきました。覚悟はできているものの、どのように最期をむかえさせてやればいいかわかりません。みなさんはどうされるのでしょうか?

長年動物を飼っていると、ご自分のお子さんよりも一緒に過ごす時間は長くなり、その存在感は知らず知らずのうちに大きなものになっています。昔から何度も動物の最期を看取ってこられた方と違い、はじめて経験される方にはどうしてやればいいのかわからないと不安になられるのは当然です。私自身の考えはというと、急性疾患の場合と慢性の場合では違うと思っています。急性の病気の場合は積極的な入院治療をおすすめするでしょうし、多くの飼い主さんがそれを選択されるでしょう。慢性疾患を患って闘病が長い場合は、できれば最期は飼い主さんに抱かれながら、あるいは家族のみなさんに看取られて、住みなれた自宅で。。。というのが理想だと思っています。これは治療をあきらめるということではありません。積極的に入院をすすめ、最後までとことん治療をするのが本来なのかもしれませんが、家族にも看取られず病院で亡くなる、というのはやはり避けたいと思うのです。ですから、わたしの病院では、もちろん飼い主さんとよくお話ししたうえで決めるのですが、朝から夜まで半日を入院治療し、その間飼い主さんには仕事や家事、あるいは、ゆっくり体を休めてもらうようにし、夜は動物といっしょに家で過ごすようにしてもらっています。もし夜に病状が急変するようなら、病院に来てもらうというかんじですね。 しかし、 “苦しんでいるのに家では何もしてやれないのがつらいから、入院させて、病院でできるだけのことをしてやってほしい、最後の瞬間を一緒に過ごせなくてもいいから” という方も中にはいらっしゃいます。
言葉の話せない動物たちにどうしたいか聞くことは残念ながらできませんが、ご自分が動物の立場ならどうしたいかお考えになって、かかりつけの獣医さんと相談してお決めになるのがいいのかなと思います。