8才のメスのヨークシャーテリアを飼っています。
年齢、部位、女の子ということを考えると乳腺腫瘍の可能性が高いと思います。
乳腺腫瘍はよくみられる腫瘍のひとつで、おおまかにいうと半分は良性、半分は悪性と言われています。見た目だけでは良性か悪性か判断がつきませんので、他の腫瘍と同様、注射針を用いた細胞診を実施します。ですが細い注射針で採取した少量の細胞からは良悪の判断ができないこともあるので、手術で切除し、病理検査を行うほうがより確実であると思います。悪性の場合、肺やリンパ節、肝臓などに転移し、死につながりますので早期発見を心がけましょう。乳腺にしこりがないかチェックする際の注意点としては、犬の乳腺はワキの少し後方から太ももの付け根のソケイ部まで続いているのでリラックスした状態で前から後ろまでよく触ること、特に毛の長い犬種ではソケイ部やワキに近い部分を見逃しがちなので念入りに触るようにしてください。しこりに気づきながらも、できれば手術は避けたい、あるいはもういい年だからという理由で、経過観察している飼い主さんもいらっしゃると思いますが、放置している間に急速に拡大し、腫瘍が破裂することもありますし、他の臓器に転移し始めると手遅れになりますので気をつけましょう。
治療方法は早期発見し手術で切り取ることがやはりベストです。抗がん剤や、放射線療法は補助的に用いられることはありますが、それだけでは効果が期待できません。また、悪性度の高い乳腺腫瘍の場合やすでに皮膚転移を起こしている場合など、手術に適さない場合もあります(術前に予測できない場合もありますが)のでかかりつけの獣医さんとよく相談の上で治療をすすめていくのがいいでしょうね。