飼っている柴犬が皮膚をかゆがるので動物病院へ連れていったら、食事アレルギーかもしれないと言われました。どんな食事を与えればいいのでしょうか?

柴犬は皮膚病を患うことが多いですね。アトピーや食事アレルギーを患っていることも他の犬種に比べて多いですし、実際これらの皮膚病が柴犬の場合はひじょうに手ごわいのでしっかりとした治療計画が必要です。
食事アレルギーを疑う場合、除去食というものを最低1ヶ月、できれば2ヶ月続ける除去食試験を行います。除去食というのは市販のフードではなく、動物病院で販売されている皮膚アレルギー用の処方食で、アレルギーのもとになる物質を極力取り除いたフードのことです。これらを与え始めてから痒みが軽減するようだと、痒みが食事アレルギーによるものだと立証できます。ここで注意していただきたいのは、この1~2ヶ月の除去食試験の期間中は、おやつやご褒美、そして食卓からこっそり与えられるヒトの食事や散歩中にお知り合いからもらうジャーキー、そして庭の柵越しにもらう食べ物まで、口に入るもの全てを止める必要があります。でないとこの試験は無意味に終わってしまいます。
病院からの処方食を食べないという場合は市販のフードを選ぶことになります。注意する点は、その材料です。鶏肉がだめな場合は鶏肉の入っているフードは避けて、魚やラム肉をベースにしたものを選ぶといったように、今食べているフードのメインになっている食材やアレルギーを起こしやすい素材を選ばないようにすることがまずは重要です。ただし、今食べているフードの複数の材料に対してアレルギー反応を起こしている場合は、次に選ぶフードの選択肢がかなり狭くなってしまいます。例えば、鶏肉と米がだめな場合が最近多いのですが、そうなると市販のドッグフードではなかなか見つからないということになります。
手作り食しか食べないワンちゃんの場合は、食材を選べるので比較的簡単かもしれません。食材を蛋白を1種類、炭水化物を1種類、野菜も1種類というように選び、1~2ヶ月同じものを与え続けます。痒みが変わらないようなら他の食材へ、という具合ですね。
また、どの食材がだめなのかわからないときは、アレルギー検査をお奨めします。高額な検査ですが、今食べていて避けたほうが良い食材の見当はつくので、ゴールへの近道にはなるように思います。
痒みの原因が食事アレルギーだけではなく、他の皮膚病も関係していることも多いのでかかりつけの先生と相談しながら治療するようにしましょう。