芦屋市内に住んでいます。

日本では、2種から最大9種までの犬の混合ワクチンがありますので9種類までの病気を予防できるということになります。当院では飼い主さんとお話して、飼育環境や飼い主さんの希望を含めて考慮し、どのワクチンがいいかお勧めしています。
ほとんど散歩に行くことがない、犬との接触がない、犬がたくさん集まるところには行かない、ということであれば5種でもいいかもしれません。
ここで、参考までに9種混合ワクチンには含まれていますが、5種には含まれていない、レプトスピラ病についてお話しておきます。
これは、レプトスピラという細菌が原因の病気で、もともとは野生動物の尿から皮膚などを介して感染し、ヒトにも感染する人畜共通感染症です。症状は肝臓や腎臓をやられることが多いので黄疸、嘔吐、腎不全などですが、飼い主さんが病状に気づかれるときには、肝臓、腎臓ともにかなりのダメージを受けていて、適切な抗生物質や補助療法を行っても死亡することが多いのが現状です。
この病気は前述しましたように、野生動物の尿が感染源といわれてますので、山へ出かけなければ芦屋の街中で感染することはないと思われがちのようですし、私自身も芦屋付近では少ないのだろうと思っていました。ですが新しい検査方法によって、この病気が、より確実に診断できるようになり、当院でもこの2ヶ月で2例、1頭は苦楽園の方、もう1頭は芦屋市内のワンちゃんにみられました。意外とこの病気にかかることは多いと認識を改めなければならないのかもしれません。

野山で感染したワンちゃんが町中で排尿し、それに触れることによって感染することもありますから、他の犬がしたオシッコを舐めたり、触れたりさせないようにしましょう。とくに山や川へ遊びに行かれる方は、かかりつけの先生と相談の上、レプトスピラ病を含む8種あるいは9種のワクチンをすることをおすすめします。