“狂犬病は、日本にはないから狂犬病の予防接種はしなくていい”と言われましたが、そうなんですか?

 現在のところ、狂犬病が日本に存在しないのは事実ですので日本で犬に咬まれたとしても狂犬病にかかる心配はないでしょう。ですが、中国やアメリカをはじめ諸外国では、毎年多くの人が犬に咬まれて亡くなっていて、狂犬病の日本への侵入をなんとか検疫で防いでいるというのが現状です。
 日本で狂犬病にかかる心配がないなら、ワクチン接種もしなくていいのでは?というお問い合わせを今回のようにお受けすることがあります。そのときにお答えするのは、日本では生後3ヶ月以上の犬には狂犬病の予防接種を実施し、市に登録をするという義務が飼い主さんにはあるということ。
 万が一、検疫を越えて狂犬病が日本に入ってきたときのためにも予防接種をすることが必要だということ。
そして、もうひとつ。
 犬がヒトを咬んだ時、必ずといっていいほど狂犬病の予防接種をしているかどうかが問われます。このときに“狂犬病は日本にないから予防接種はしていない”ということは通用しませんし、注射をしていない場合、飼い主の義務を怠っていると責められることになります。
 つい先日も、あるおとなしい小型犬が公園で近づいてきた小さな子供さんを咬んでしまいました。幸い、子供さんのケガもひどいものではなく、このワンちゃんも狂犬病をはじめ予防できるものは全て予防されていたので大きな問題になることはありませんでした。
 春はフィラリアやノミダニなどの予防を開始するシーズンです。狂犬病も忘れずに。。。。