先日、うちの犬が発作を起こしました。病院に行った方がいいでしょうか?友人からはてんかんではないかと言われました。

発作というとてんかんですか?という質問がかえってくることがよくあります。発作とはその原因によって、てんかん、代謝性、中毒、神経筋、行動、失神に分類されます。

代謝性は低血糖、や低カルシウム血症、甲状腺機能低下症、腎不全末期に尿毒症が原因で起こるもの。
中毒は毒物を摂取することでおこる発作。チョコレートや殺虫剤、キシリトールなどが多い。
神経筋源性はナルコレプシーや重症筋無力症など。
行動は発作のように見える異常行動で動物が自分の意志でおこなっているもの。
失神発作は心臓の病気が原因でおこるもので、不整脈などの異常が起こると脳への酸素供給が低下あるいは途絶え、脳が酸素不足になり、倒れこんだりします。人の立ち眩みのようなものです。
発作を主訴に来院された場合、脳疾患である“てんかん”と診断することが多いのですが、以上のように原因をしっかり見極めて診断治療していくことが重要です。
発作は病院で起こることがあまり多くはないため飼い主さんからの情報がひじょうに有益です。通常は前足と後ろ足をピンっとつっぱり背中をのけぞらしながら体を震わせ痙攣をおこすことが一般的によく見られます。ですが、いろんなタイプの発作があるので、発作のような症状がみられたら慌てずに動画の撮影をされるといいでしょう。また、発作時の様子だけでなく、発作前後の様子もよく観察してください。例えば、失神発作では、一瞬ふらついて転倒しますが、10秒程度で速やかに回復します。てんかん発作では全身けいれん後にふらついたり、徘徊したり、ぼーっとしたりという状態が数分から数時間みられます。
発作は再発することが多いので病院で検査をお受けになることをお勧めします。