先日、うちのダックスが10才になったので動物病院で血液検査をしてもらったところコレステロールと中性脂肪が高いと言われました。今後どういうことに気をつけていけばいいでしょうか?
コレステロールと中性脂肪が高値とのことですから、いわゆる高脂血症ということになります。少し肥満、ということなら低脂肪のフードに変更して痩せるだけでも改善するかもしれませんが、肝臓病、膵臓疾患、副腎疾患、甲状腺疾患、糖尿病などの危険性があるかもしれませんので、詳しい検査をすることをおすすめします。最近では動物でも善玉や悪玉コレステロールなど調べることが可能になってきていて、それらを調べることで現在あるいは将来的にどんな病気のリスクがあるのかがわかるようにもなってきていますので、そういった検査を利用するのもいいかもしれません。
最近獣医療の研究会でもよく取り上げられているのが、高脂血症のワンちゃんにみられる胆泥症や胆嚢粘液嚢腫という病気です。前者は胆嚢の中に胆泥というどろっとした物質が貯留する病状で、後者はもっと硬いゼリー状の物質が胆嚢の中に溜まるものです。当初は何の症状も出ないのですが、それらが肝臓で作られた胆汁の流れを塞ぐようになると、ほとんどの症例で手術が必要となります。以前は胆泥などあまり治療対象とはされていませんでしたが、最近は後のリスクを考えて、定期的なエコー検査を、そしてできれば積極的な内科治療をおすすめしています。
無症状の高脂血症というとあまり深刻に考えない傾向にあるかもしれませんが、食べ物と体重の管理、そして動物病院で定期的なチェックを受けるようにしましょう。