主人の海外への転勤が決まりそうです。場所はまだ未定なのですが、犬を海外に連れて行く場合に必要な手続きなどありますか?

芦屋に開業してから、このような問い合わせをよく受けます。各国の外務省関連の方や日本の転勤族の方が多く住んでいらっしゃるからなんでしょうね。これまでにたくさんの書類作成のお手伝いをしてきましたのでその経験をもとにお答えします。 まずは、渡航先の国によってペットの持ち込み時に必要なものが異なります。 最低限必要なのは、マイクロチップの埋め込みと狂犬病予防注射、そして獣医師が発行する健康診断書です。 狂犬病予防は注射を打っていれば良いというわけではなく、注射が十分に効いていることを示す抗体検査を受ける必要があります。狂犬病を受けたことが無い場合は、1回目を受けた1ヵ月後に2回目の注射を受け、さらにその10日以上後に採血をして抗体価を測定します。検査結果が出るのに最長で2週間ですから、出国準備に2ヶ月ぐらいかかることもあるということになります。 前述したようにマイクロチップ、狂犬病抗体検査、混合ワクチン、ノミダニの駆虫薬、消化管の駆虫薬など、求められるものは渡航する国によって違うので、何が実際に必要か詳しい内容に関しては各国の大使館かまたは総領事館に問い合わせるのですが、電話で問い合わせるとどの国も決まって、ホームページを見てください、と言われるだけでまともな答えを得たことがありません。ホームページを読んでも非常にわかりにくく、細かいところを確認したくて電話するのですが。。。残念な状況です。ですから、ホームページをみてある程度の知識を得たら、あとは出発空港の関空あるいは成田の検疫所に電話して必要な書類を確認します。検疫所の方は親切なことが多く、詳しく教えてもらえます。 今までで最もきびしいと感じたのはイギリスでした。何枚もの書類を用意し、日本を出発する数時間前(何時間前か忘れましたが。。。)に駆虫薬を飲ませるという厳しさでした。 アジア方面は他の地域より用意する書類は少なくて済みます。 渡航先が決まったらできるだけ早めに必要な手続きをすすめるようにしましょう。