日本料理シェフとイタリアンシェフの料理競演!
芦屋・京料理たか木VS神戸・Faber(ファーベル)
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日本料理シェフとイタリアンシェフの料理競演!
芦屋・京料理たか木VS神戸・Faber(ファーベル)

2011年10月23日(日)、神戸市東灘区にある『Faber』にて、第3回『京料理 たか木』VS『Faber』のコラボレーションイベントが開催されました。2009年に第1回が開催され、今年で3回目。食材テーマに沿って人気のお店の『京料理 たか木』高木一雄(たかぎ かずお)氏とイタリア・地中海料理『Faber』纐纈 崇(こうけつ たかし)氏のシェフ2人がオープンキッチンで競演するということで、12,000円のチケットは早々に売り切れ。今年は、オーストリアやイタリアのワインを中心に輸入・販売している『エステートワインズ』もコラボ参加し、各テーブルともワインを楽しみながら2人のシェフの腕によりをかけた渾身の料理を堪能しました。

さてさて、今回はどんなメニューが登場したのでしょうか?
席に着くと、本日のメニューがテーブルの上に置いてあり、期待が高まります・・・。

京料理たか木

  • 前菜

    玉子味噌漬、銀杏
    黄身茶子和(しめじ、揚麩、水菜、海老)

  • 鶉真薯(舞茸、おこげ、みつば)

  • 揚げ物

    海老芋の白仙揚、キャビア添え

  • 炊合

    鴨治部煮(かぶら、すだれ麩、三度豆)

  • デザート

    シャンパンゼリー、果物

ファーベル

  • 秋田県産うさぎの茹で玉子巻き“ロトロ”卵黄ソース
  • 海老芋のピュレとオマール海老のラグー・カンボジア産生黒胡椒添え
  • 河内鴨のローストとイチジクのカンディート・パルミジャーノ風味グリッシーニ

  • チーズを包んだボローニャ風トルテッリ・茸のパッサーと黒トリュフ
  • ナポリ風ミルフィーユ”ズッペッタ”ミルクジェラート添え

テーマの食材

杉野さんの有精卵

※杉野さんの卵は、無理に生ませた大量生産の卵ではなく、自然の中でのびのび育った鶏が出来る限り自然な状態で生んだ卵だそう。『京料理たか木』も『Faber』も普段から使っているそうです。

●秋田県産うさぎの茹で玉子巻き“ロトロ”卵黄ソース

「生地状にしたうさぎの肉の上に、うさぎのモモ肉とウデ肉でハンバーグにしたもの、半熟のゆで玉子を順に載せ、一本のロールにします。それを70℃で2時間火入れしました。70℃だから玉子は半熟のままの仕上がりです。“ロトロ”とは、“輪にした、ロール”という意味なんです」と纐纈シェフ。うさぎの優しい味と“卵と牛乳のソース”のまろやかな味が主張しすぎず、杉野さんの有精卵が主役の見事な一皿。

☆前菜・・・玉子の味噌漬、銀杏(ぎんなん)、 黄身芥子和(きみがらしあえ)(しめじ、揚げ 麩、水菜、海老)

奥は、温泉玉子の黄身を味噌漬けしたものを柿に見立て、横に銀杏を飾って秋の雰囲気が漂います。手前は、しめじと水菜と海老を黄身芥子で和え、上に白い小さな揚げ麩をあしらったもの。これが絶品!ライターのまさにドストライクです。これから始まる料理対決の期待感を膨らませるファーストインプレッションにふさわしい一品です。

海老芋

●海老芋のピュレとオマール海老のラグー・カンボジア産生黒胡椒添え

ちょこんとかわいい器は、たか木の和食器。器もコラボ(?)しているので、器だけではどちらの料理なのか分からなくなってきています。中は、海老芋のピューレに、鮮やかなオレンジ色のオマール海老ラグーソースが食欲をそそります。上に載っている生の黒胡椒のフレッシュな衝撃も新鮮です。

☆揚げ物・・・海老芋の白仙揚(はくせんあげ) キャビア添え

薄味の出汁で味付けした海老芋に片栗粉をまぶして揚げた芋2枚の間に、蒸した海老芋を挟んだ、揚げと蒸しのコントラストが楽しめる一皿。上には、キラキラ輝くキャビアが載っていて、一緒にいただくと何とも言えない塩加減です。

河内鴨

●河内鴨のローストとイチジクのカンディート・パルミジャーノ風味グリッシーニ

「イタリアの鴨と違って河内鴨はあっさりしているので、パンチを効かせるよう工夫しました。完熟でもぎ取ったイチジクを低温オーブンで水分を飛ばせました」と纐纈シェフ。もうお腹いっぱいなのに、パクパクいける一皿です。

☆炊合・・・鴨治部煮(かもじぶに)(かぶら・すだれ麩・三度豆)

甘辛のどろっとしたタレにわさびが効いていて、想像とは少し違う味わいに驚き。そのタレにすだれ麩や鴨がまったりと絡まってかなりボリューミー。「すだれ麩を和のパスタに見立てています」と高木シェフ。

その他、違う食材のメニューもそれぞれ一品ずつ用意されていて、『京料理 たか木』から食材“鶉(うずら)”で鶉真薯(しんじょ)(舞茸、おこげ、みつば)、『Fabel』からは食材“パスタ”でチーズを包んだボローニャ風トルテッリ・茸のパッサートと黒トリュフのメニューもありました。最後に『京料理 たか木』のシャンパンゼリー・果物と『Faber』ナポリ風ミルフィーユ“ズペッタ”ミルクジェラート添えを一緒に盛ったデザートで締めくくられました。

「今年のイベントも3回目。この他にも、色々な人に声をかけてもらってイベントに参加したり、コラボしています。コープ神戸さんの料理教室、あしや・いちでの青空料理教室、味覚教育イベント、雑誌企画のお弁当作りなどもしてきましたが、採算はあまり考えていないんですよ。多くの出会いがあって、多くの発見があって、自分自身にとってとても刺激になるんです。今後も新しいことにチャレンジしていきたいと思っています。えっ?好きな食べ物?鮎と・・・、えーと・・・、フライドポテトです(笑)!」

「イベントの後、皆さんいい笑顔で帰っていくでしょ?それが楽しいんです。今回登場した杉野さんの養鶏場(有精卵)を見に行くときにとても感じたことがあるんです。素敵な食材や人を皆さんに紹介したい。そして、いい輪がもっともっと広がればいいなと。色々な人と交流することで、自分自身も広がると思うんです。最近食べたもので一番美味しいものですか?たか木さんでこの間いただいた鰆(さわら)の昆布締め!めっちゃ、美味しかったですよ♪」

同じ食材を日本料理とイタリアンのシェフがそれぞれ持ち味を生かしたメニューで競演する今回のコラボ企画。労力を惜しむことなく考えられた献立、丁寧に作られた一皿一皿に2人のシェフの才能と誠実さを感じました。途中、纐纈シェフからトリュフ削りを任された高木シェフの嬉しそうな笑顔がオープンキッチンから見え隠れするなど、シェフと客席がとても近く、最後には2人のシェフが一緒にテーブルを回ってくれ、料理のエピソードなどを紹介してくれました。

高木シェフと纐纈シェフの共通点は、出逢いを大切にしていること。
ぜひ、2人のお店に行ってそれぞれのシェフに出逢ってみてくださいね!

京料理たか木

  • 兵庫県芦屋市大原町12-8 (GoogleMap)
  • 0797-34-8128
  • 12:00~13:30(L.0.)
    18:00~20:00(L.0.)
  • 日・第4月曜(要予約)
  • 無(近隣コインP有)

ファーベルFaber

  • 兵庫県神戸市東灘区甲南町2-9-7 (GoogleMap)
  • 078-452-2607
  • 11:30-15:30(L.O.14:00)
    18:00-23:00(L.O.22:00)
  • 木曜
  • ディナータイムは駐車券発行します(詳しくはお問合せ下さい)