遊びが広がる市立美術博物館ワークショップ。
学校ではできないことをやってみよう!
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遊びが広がる市立美術博物館ワークショップ。
学校ではできないことをやってみよう!

キッズのための、多種多様のワークショップが各地で開催される夏休み。
芦屋市立美術博物館では、一風変わったワークショップが催されました。
今回のキッズ黒帯は、8月7日、8日に開催された、ホールワークショップ『ホールで何しよう?』のうち、7日に開催された『ひもであそぶ』の様子をお届けします。

子どもの発想の柔軟性は、未知数…

このワークショップの特徴は、『場所』と『テーマ』以外は何も決まっていないということ。それだけを提供して、あとは子どもたちの発想力や想像力まかせで、進行していくのです。
『場所』は、“美術博物館の広いホール”。取材した日の『テーマ』は“ひもで遊ぶ”。
学校やよく目にするワークショップでは「今日はこれを作りましょう」と提示された作品を作り上げていくという形が多いと思いますので、今回のイベントは、そういった意味ではちょっと異質な存在だといえるのではないでしょうか?
「できるだけ具体的なイメージを持ちにくい物をテーマに選びました」と主催者で美術博物館学芸員の井須さん。ひもで、果たしてどんなことが繰り広げられていくのか…かなりわくわくしながら、始まりを待ちます。

色とりどりのひも・リボン・毛糸・ローブ。
でもこれだけでいったい何をするの?

ひもだけでなく他にも色々な材料が用意されているものとばかり思っていましたが、中央に置かれたたくさんのひもやリボン以外には何も見当たりません。貸してもらえるのはどうやらはさみとテープのみ。これだけでいったい何を作ればいいのか…子どもたちはどんな動きをするのかと見守っていました。

まずは、自分を飾ったり、場を飾ったり。

多くの子が最初にしたこと。それは、「自分自身を飾りつけること」と、「ホールを飾り付けること」でした。
中央に置かれたひもやリボンの中から好きなものを選び、ちょうどよい長さに切って髪にくくる女の子。太めに編まれたロープのようなひもを腰や腕にとにかくぐるぐる巻きつけていく男の子。ホールの2階から垂らされた数本のひもに更にひもを巻きつけたり、飾りをつける子どもたち。なるほど!作品はこういう形でも作り上げることができるんだと、目からウロコでした。

じっくり派の子どもたちも…

次第に、個々で作品をじっくり作り上げていく子どもたちの姿も見られるようになってきました。ビニールテープを数色合わせて可愛らしいポンポンやお花の飾りを作る子ども、ひもにひもをぐるぐる巻きつけていき、ボール状のものに仕上げていく子ども、最初から最後までじっくり取り組んで、見事なリースを作り上げた子どももいて、その完成度の高さに驚かされました。
雰囲気とテーマだけを提供してあとは子どもたちの発想の柔軟性にまかせたという今回のワークショップは、オリジナリティを大事にした芦屋市立美術博物館のエッセンスを受け止めて企画されたそうです。

大人でもチャレンジしてみたくなる面白さ♪

ひもに触れ、引っ張ったり巻きつけたり遊んだりしていくうちに、また別の遊びを思いついたり、作ってみたいものがひらめいたり…。目の前で繰り広げられていく様子は、傍観者ではもったいない!と思わせてくれる、楽しげで魅力的な光景でした。それを証拠に、最初は見守るだけだった付き添いのママたちも、次第に、一緒に手にとってみたり熱心に何かを作りこんだりしていく姿が見られるようになりました。

作るものが決まっていて、そこにオリジナリティを出していくというのも楽しいものですが、たまにはこうやって、子どもまかせで遊んでみるのもいいものですね。思わぬアイデアが飛び出したり、面白い遊びに発展していくかもしれません。夏休みも残りわずかとなりましたが、お家でもこういった遊びを取り入れてみてはいかがでしょうか?

芦屋市立美術博物館

  • 兵庫県芦屋市伊勢町12-25 (GoogleMap)
  • 0797-38-5432(代表)
  • 10:00-17:00
  • 月曜日、祝日の翌日、年始年末