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シザーハンズ

突然ですが、私は怪物が大好きです。映画に登場する様々なモンスター達。子供の頃はゴジラに代表される怪獣に熱中しましたし、テレビ映画で放送される、レイ・ハリーハウゼンのストップモーションの一つ目巨人や骸骨に驚嘆しました。今でもそのころの熱は根強く私の中にあり、いい歳をして、怪物が登場する映画は駄作とわかっていても、ついつい観てしまうのです。しかし、どうも最近の映画に登場する怪物は、CGや技術の進歩でリアルではあるものの、なんというか風情の無いものが多いように思います。そこで今回はそういう風情のある怪物を撮る名手、ティム・バートンの「シザー・ハンズ」をご紹介したいと思います。

新興住宅地を見下ろす丘の上にある古い城、そこにはエドワードという青年が一人で住んでいました。彼はかつて城に住んでいた発明家に生み出されましたが、完成前に発明家が死んでしまったため、その手は鋭いハサミになっていました。ひょんな事で街に下りた彼は、植木の剪定と髪のカットの腕前でたちまち人気者になります。しかし触れるものを全て傷つけてしまう彼のハサミの手は、やがてトラブルを引き起こします…。
本作はハサミの手をした怪物、エドワードを主人公にした映画ですが、怪物映画というよりも、おとぎ話のようなムードを持っています。ティム・バートン監督お得意の隅々まで創り込んだ映像と、世の中に対して冷めた態度でありながら、どこか優しいストーリーがその大きな要因でしょう。また、本作は切ないラブ・ストーリーの一面も強く持っています。触れるものを全て傷つけるハサミの手をしたエドワードが、愛するものさえ傷つけてしまうという悲哀にみちた様子は、なんとも切なく、薄っぺらいラブ・ストーリー(豪華客船が沈没する某有名馬鹿映画とかね)の数百倍も感動的です。さて、本作は典型的な古典怪物映画のストーリー展開をなぞっています。怪物が現れ、やがて人々に追われて悲しい結末へと向かうというストーリー構成は「フランケンシュタイン」や「ゴジラ」と全く同じなのです。本作はティム・バートンがお得意のおとぎ話仕立てで味付けした、古典怪物映画の再評価という見方もできるでしょう。

監督はティム・バートン。独特のデザインセンスとお得意のおとぎ話テイストで本作を素敵な一品に仕上げています。ハサミの手をした怪物、エドワードを演じたのはジョニー・デップ。素晴らしい演技力で怪物の悲しい運命を見事に演じきっています。この二人は近年、「チャーリーとチョコレート工場」で再びコンビを組んで、新しいおとぎ話をスクリーンへ映し出し、高い評価を得ました。

さて、冒頭の話題に戻りますが、怪物には本作のエドワードのような悲哀が必要だと思うのです。決して人々に受け入れられない運命を持つ孤独で悲しい後ろ姿があるからこそ、怪物の恐ろしいシルエットにも深みが出るというものです。どうもエイリアン以降、こういう悲哀を感じさせる怪物は、久しく姿を見せなくなりました。怪物ファンの私としては誠に残念なことです。

あ、いるにはいましたね。悲哀を感じさせる怪物が。
「えびボクサー」のエビ(シャコ)。
…だめ?

CINEMA DATA

1990年制作

【配給】20世紀フォックス
【監督】ティム・バートン
【出演】ジョニー・デップ
ウィノナ・ライダー 他

20世紀 フォックス ホームエンターテイメントジャパンよりDVD発売中

©Eiga-zaru 2004-2018

※掲載している情報は、2008.09.01の情報です。
 そのため記載内容が、最新のものと異なる場合があります。

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