ハリー・ポッターと賢者の石

最近はちょっと大きな本屋さんに行くと、必ずといっていいほどファンタジー小説のコーナーがあり、ハードカバーの様々なファンタジー小説が並んでいます。私のような子供の頃からのファンタジー好きにはなかなか感慨深い光景です。昔はファンタジーは子供向けでマイナーなジャンルとして扱われていて、そんなものに熱中していると変人のように思われたものです。まぁ、私が変人だと思われた要因は他にもあったような気がしないでもありませんが。さて、昨今のファンタジーブームの火付け役となったのが世界的なヒット作となったJ・K・ローリングの小説、ハリー・ポッターシリーズです。今回ご紹介する「ハリー・ポッターと賢者の石」はその記念すべき映画化第一弾です。
両親の死後、親戚の家でこき使われる不幸な少年、ハリーの11歳の誕生日に不思議な手紙が届きます。「ハリー・ポッター殿 ホグワーツ魔法魔術学校への入学を許可します」。この手紙をきっかけにハリーは不思議な魔法の世界へと足を踏み入れていきます。
本作の第一の魅力はキャスティングであるように思います。オーディションで選ばれた子供達が実にそれらしいのです。いいところのボンボンでエリート意識剥き出しの子供、ちょっと抜けていて鈍い子供、こまっしゃくれた優等生、みんな、いかにもといった風貌をしているのです。彼等が不思議な魔法学校で学ぶ様子は実に愉快です。また、ゴシック調の背景も素晴らしく、観客を不思議な魔法世界へと案内してくれます。個人的には、ごちゃごちゃとしたダイアゴン横丁の雰囲気がとても気に入りました。二時間半という長い映画なのですが、テンポ良く進む物語とこれらの創りこまれた世界がそれを全く感じさせません。
監督は「ホーム・アローン」「ミセス・ダウト」などで知られるクリス・コロンバス。シリーズ二作目の「ハリー・ポッターと秘密の部屋」でも監督を勤めています。主演のダニエル・ラドクリフは本作がデビュー作で、今では「ハリー・ポッター」といえば誰もが彼の顔を思い浮かべることでしょう。
勇敢で聡明、それでいてクリスマス・プレゼントに目を輝かせる純真な少年、ハリーを好演しています。また、とても可愛らしいハーマイオニー役のエマ・ワトソンと、普段まるっきりダメなのにクライマックスで実にりりしい表情を見せてくれるロンを演じたルパート・グリント。彼等ハリーの二人の親友も負けずに印象的な演技を見せてくれています。
映画もさることながら、小説の新作が発売される度に大変な騒ぎになる人気の「ハリー・ポッター」シリーズ。ブームに乗り遅れてなんとなく未見のままという方も、機会があればご覧になることをお勧めします。面白い映画であることはお約束できると思います。
肩肘はらずにハリー・ポッターの魔法の世界に出かけましょう。
ロンドン駅の9と3/4番線から。
CINEMA DATA
2001年制作
【配給】 | ワーナー |
---|---|
【監督】 | クリス・コロンバス |
【出演】 | ダニエル・ラドクリフ |
ルパート・グリント | |
エマ・ワトソン 他 |
ワーナー・ホーム・ビデオよりDVD発売中
©Eiga-zaru 2004-2018
※掲載している情報は、2007.02.01の情報です。
そのため記載内容が、最新のものと異なる場合があります。
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