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芦屋発 旅と文化のすすめ
 都市紹介編 第25回 ウィーン〜時代を超えた名画
バベルの塔(ピーテル・ブリューゲル)
1563年(ウィーン美術史美術館)
 結婚政策でハプスブルク家は領土を広げ、スペインやベルギーも支配下にしました。 ハプスブルク家のコレクションを基礎とするウィーン美術史美術館に、これらの地域の絵画が豊富に揃っているのは、このような事情によるものです。
 16世紀、イタリアでルネサンス絵画全盛の頃、現在のオランダ・ベルギーでも「北方ルネサンス」と呼ばれる絵画が確立されました。 あるべき姿を描き、人物画が多いイタリアに対し、北方ルネサンスでは“ありのままの姿”を描き、風景画が多いことが特徴です。 中でもブリューゲルは、風景の中で人物一人一人をていねいに描いた画家でした。
 ブリューゲルの代表作「バベルの塔」は、旧約聖書にある逸話を描いたものです。 人間が天にも届く塔の建設を始めると、神はそのおごりに怒り、互いに言葉を聞き分けられなくします。 塔の建設は中断し、これ以来世界中に多様な言語が生まれたという話です。 ブリューゲルの絵の中には、それぞれ個性を持ち、働いたり怠けたりする数多くの人間が、生き生きと描かれています。
 クリムトは、退廃的な芸術が流行した19世紀末、前衛芸術のリーダーとしてウィーンを中心に活躍しました。 神秘的なものや夢幻などを表現する象徴主義の流れですが、これまでの主義や流派にとらわれず、また時には権力と闘いながら、独自のスタイルで芸術と向き合います。
 彼の女性像は、顔や手足が写実的で繊細に描かれる一方、それ以外は平坦で強烈な色彩の、非現実的な装飾表現で描かれます。 この一見アンバランスな画面構成が、妖しく美しい独特のエロティシズムをかもし出します。 代表作「接吻」では、絵全体に漂う刹那(せつな)的な表現方法と、抱擁する男女が崖の上に描かれているところから、隣り合わせにある生と死を暗示しているとされます。 ヴェルベデーレ宮オーストリア絵画館には、「接吻」を始め、クリムトの作品が数多く展示されています。
 「バベルの塔」の繁栄と破滅、「接吻」の生と死。時代も手法も異なる2人の巨匠は共に、相反するものの微妙なバランスの中で、生きることの意味を問いかけているのです。
■橋本亮一 プロフィール
(株)ブルーム・アンド・グロウ代表取締役
IATA-UFTAA International Travel Consultant
総合旅行業務取扱管理者
レイル・エキスパート
日本旅行医学会認定添乗員
「お仕着せになりがちなパック旅行では味わえない旅を提供したい」 と、2003年6月、15年間勤めた大手旅行会社を退社後、サロン形式の旅行会社を構え、 その人に合った世界にひとつだけの旅プランを提案。 また、サロンでは週末に「旅の学校」も開講。
芦屋市山手町24-5 TEL:0797-23-8740
E-Mail:travel@bloom-grow.jp
接吻(グスタフ・クリムト)
1907-08年(オーストリア絵画館:ウィーン)
 このコラムは毎月更新(次回は2008年7月16日)です!お楽しみに…
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