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芦屋発 旅と文化のすすめ
 都市紹介編 第21回 ロンドンB〜ナショナル・ギャラリー
アルノルフィニ夫妻の肖像 (ヤン・ファン・エイク)
1434年(ナショナル・ギャラリー:ロンドン・イギリス)
 ルネサンス絵画の表現を飛躍的に高めた油絵具は、1400年頃にフランドル(現在のベルギー)で発明され、 ファン・エイク兄弟が実用化したと言われています。
ファン・エイク兄弟は、ルネサンス初期にブリュッセルを中心に活躍しましたが、その生涯はよくわかっていません。
“神の手を持つ男”ヤン・ファン・エイクは弟の方で、代表作「アルノルフィニ夫妻の肖像」がロンドンのナショナル・ギャラリーにあります。
 キャンドルが、夫の側1本しか点灯されていない。中央の鏡に、第三の人物が映っている。 鏡の上に不思議な文字があるなど、この絵には謎が多く、それを解釈するのが楽しい一方で、窓から入る光など、 油絵ならではの細部の表現力にも驚かされます。遠近法を駆使しながら実物そっくりに描いた、ルネサンス絵画の幕開けとも言える作品です。
 油絵具はまたたく間にヨーロッパ中で使われるようになり、表現力は磨きに磨かれました。それから400年以上の歳月を経て、 実物そっくりに記録する役割を写真に譲ると、今度は一人の画家が油絵具に全く違う意味を与えます。その画家こそ、奇才ゴッホでした。
 ゴッホは浮世絵の影響から、遠近法を無視して細かい表現を省略する、大胆な絵を得意としました。
そして感情をキャンバスにぶつけるように、何度も何度も重ね塗りをし、チューブから直接塗ったのではと思わせる厚塗りさえします。 キャンバスの上に盛り上がる油絵具は、絵に立体感と迫力とを持たせる道具となったのです。
彼は浮世絵の明るい光を求めて南仏アルルに移り住み、あふれんばかり太陽の光を浴びる「ひまわり」を、ほぼ同じ構図で7枚描きます。 最も有名なナショナル・ギャラリーの「ひまわり」は既に掲載したので、日本の美術館にある作品と見比べてみてください。
 ゴッホは世間から全く評価されず、生前に売れた絵はわずか1枚でした。 しかし本人が自覚していたかどうかはともかく、遠近法やリアルな表現を生んだ油絵具にこだわりながらも、 その本来の役割を全く無視した上で、そこに新たな息吹を吹き込んだのです。
■橋本亮一 プロフィール
(株)ブルーム・アンド・グロウ代表取締役
IATA-UFTAA International Travel Consultant
総合旅行業務取扱管理者
レイル・エキスパート
日本旅行医学会認定添乗員
「お仕着せになりがちなパック旅行では味わえない旅を提供したい」 と、2003年6月、15年間勤めた大手旅行会社を退社後、サロン形式の旅行会社を構え、 その人に合った世界にひとつだけの旅プランを提案。 また、サロンでは週末に「旅の学校」も開講。
芦屋市山手町24-5 TEL:0797-23-8740
E-Mail:travel@bloom-grow.jp
ひまわり (フィンセント・ファン・ゴッホ)
1889年(損保ジャパン東郷青児美術館:東京・日本)
 このコラムは毎月更新(次回は2008年2月16日)です!お楽しみに…
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